七夕コンサート(2)

僕から観て、右前方の奏者がフィボナッチ・ケチャックを叩いている。

僕から、丁度、左あたり日詰明男さんが、基本のケチャックを叩いている音。

右前方の奏者への距離は、4から5メートルくらい。

聴こえる音は、館内天井に反響する残響音の方が先。

左手の、日詰さんからの音は、残響よりも打点の方が僅かに早い。

「客席はどうか?」

流れを聴いているはず。

まず、遠い音に合わせていく。

「客席に合わせるのが良い。」

遠いところに、音量を合わせる。

結果的に、日詰さんの打点とシンクロする。

「DUOは、始まる。」

もし、違っていたら、新しいことを紡ぎ出せば良い。

「対応したくは無い。」

僅かで聴こえないくらい小さな音であったとしても、自発的でいたいし、いるべきだ。

日詰さんとのDUOになだれ込む少し前。

時間にしてみれば、きっと3秒にも、満たないかもしれません。

僅かなところの奥には、沢山のことがありました。

「そう思うのは、何時以来だろう。」

刹那を揺ぎ無い事象として捉えるのは。

京都毎日新聞社支局ビル7階。

「スター☆フェスティバル」。

最後のところ。

北西角。

アコーステッィク・ギター。

赤。

青。

ベルの音。





静岡市美術館

七夕コンサートが始まる前。

日詰さんの「辻講釈」。

「4次元の話。」

「ここと、ここの面は絶対に合いませんよね。合ったとしたら、それは、4次元の話です。」

機材のセッティング。

最終確認をしていたときに、耳に入った言葉。

「あわせてみよう。」

そう思った。



ギターを調弦しているとき。

チューニングが施されたギター。

ワークショップルームに向かう廊下は、スタートライン。

「開場まで、あと2時間。」







夢美路丈旁

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